バンコク(タイ)

初めての海外、初めてのバックパッカー。わくわくしかしなかった。緑色のバックパックを背負って、2011年夏、私は旅に出た。2週間半のタイとカンボジア旅行である。

バンコクは、旅行中訪れた街の中で一番長く滞在していた。屋台の匂いも車のクラクションも売り子の片言な日本語もレディボーイも朝まで飲んでいるゲストハウスのスタッフも、そこで出会った友人も、きっと一生忘れられないと思う。
もちろん旅行中、バンコクよりも素敵な街はあった。バンコクは都会で、完全に他のタイの街とは空気が違った。しかしバンコクには観光だけではない思い出があるので、今回紹介させていただく。きっと多くのツーリストにとっても、バンコクにくる目的は観光ではないのだ。

8月下旬、カンボジアのシェムリアップからバンコクへ。バスから見るバンコクはとっぷり日が暮れていた。到着時間が5時間も遅れたのだ。車の赤いライトが道路をびっしり覆っていた。オームかと思った。夕刻のバンコク渋滞は尋常じゃない。

目的地はバックパッカーの聖地、カオサン通り。

タイ経験者は絶対言う、「カオサン通りに行ってこい!」「めちゃくちゃ楽しいから」と。いやあ、そんなにみんなが言うなら、と、カンボジア帰りの私はわくわくだった。バスの長旅の疲れもそのままに、バスの運転手に道を教えてもらい、いよいよカオサン通りに出た。

ざわざわざわざわ。

発展途上国とはいえど、やはりバンコク。大都会だ。
どこからか音楽がガンガン流れていて、ネオン看板がパチパチ光っていて、多国籍バックパッカーがうろうろしていて、歩けば屋台の売り子やぼったくり旅行会社のおっさんがどんどん話しかけてくる。

「アンニョハセヨ!」と。

私は韓国人ではない。無視をすると売り子はまた言う。

「ニーハオ!」と。

私は中国人でもないのだ。わかっていたけどやっぱショックだ。

ツーリストの言葉はある程度覚えているのだろう。そのうえ日本人は甘く危機管理ができていないと思われているのか、やはり日本語ができるタイ人は多かった。

人でいっぱいの夜のカオサン通りを歩く。とにかくごちゃごちゃしている。
ふと横を見れば路上で繰り広げられるタイマッサージ、

秩序やタイ人のプライドの欠片もない。
そして白人たちよ、こんなところでくつろげるわけがないだろう。

さらに少しでも立ち止まると、

彼女たちが近くに寄ってくる。要らんかね、と。

向こうではツーリストがビール片手にはしゃぎあい、海賊版やチープなお土産屋の屋台からは呼び込みの声がする。屋台には人だかりができていて、良いにおいのするパッタイが売れていく。謎の光るゴム?を空中に飛ばしまくる青年もいる。
全く油断は禁物だ。
なんてところだバンコク。どういうことだカオサン。

1日目はカオサン通りに面したゲストハウスに泊まり、2日目からは日本人が多いと噂の、カオサンから一本外れたところにあるゲストハウスを選んだ。

NAT2。ここで私は多くの日本人と出会う。


昼頃に住民はのろのろ起きだして、タバコを吸いながら話をして、おなかが空けばご飯を食べにいき、夜はみんなで飲む。ゲストハウスのスタッフも、一緒に飲む。朝まで飲む。そしてまた昼頃起きる。そんなサイクルでこのゲストハウスは回っていた。気が向けばどこかへ出かけ、感想を言い合う。

バックパッカーの聖地で何やってるんだ!と思うかもしれない。ただ、昼間はアツいのだ、もう。太陽が痛い。焦げてしまう。バンコクは夜活動するのが正解だ。
結論から言うと、私はカオサン通りが苦手だった。楽しいけれど、うるさくて、異国感はあまりない。本当にバンコクは地下鉄も通っていて都会だ。不自由なのはバスがわけわからないことぐらい。
結局そのNAT2を拠点に、バンコクをうろうろしていた。

ある日はタリンチャンの水上マーケットへ行った。カオサンからタクシーで20分ほどの場所にある。


近くに線路があった。きれい。


ボートで作られたご飯はおいしかった。おなか壊したけど。

ここで1日に何回か開かれているボートツアーへ参加したが、あまりおすすめはしない。水上で暮らす人々のところをすごい音をたてて観光ボートで行くだけだ。案内も英語ではなくずっとタイ語だし、住宅街をアトラクション化してしまっている。(まあ確かに珍しいけど)


途中で止まったところで見たパペットショーは美しかった。

ある日はウィークエンドマーケットにも行った。週末だけのツーリスト向けイベントだ。


かわいい雑貨を真剣に見つめる欧米人


タイ製ジャックスパロウ(クオリティ高い)


雨期だったため、毎日夕方には雨が降った。


イケメンタイ人がここぞとばかりに傘を売りに出す。白人女性が高いと文句を言いながら買っていった。

その夜はNAT2で知り合った友人に連れられて、バンコクのアラブ人街へ遊びに行った。Nana駅の近くだ。バンコクなのにアラブ人ばかり。アラビア語の看板が並ぶ。


ここで水タバコを初体験。普段私はタバコを吸わないのでひたすらにむせた。

またある夜は私の「クオリティの高いレディボーイが見たい!!」の要望に答えてもらい、
NAT2の友人(どんだけ一緒に遊んでるんだ!笑)とゴーゴーバーへ行った。
バンコクはレディボーイ文化が発展している。その数とクオリティはタイ版るるぶの最初のページで特集を組まれるレベルである。

ゴーゴーバーは過激でうるさくて手軽なキャバクラだと認識してもらえたらいいと思う。
ゴーゴーバーにいる女性の中に、クオリティの高い男性(レディボーイ)がいるという話を聞いていた。かわいいと思った子が実は…とか。そのためその日は夜のバンコクに繰り出したのだ。

※ゴーゴーバーは写真撮影禁止でした。

結論から言うと、出会えたのはレディボーイではなく34歳のバリバリ現役で働く女性だった。彼女はポールダンスを駆使して日本の男子大学生を惑わしていた。もうびっくりした。

食事は出かけていなければゲストハウスの近くで済ますことが多かった。よく行ったのはカオサン通りの一本となりの道にある、日本語の上手いマックくんがマジックショーをやってくれる店だ。日本語表記のメニューもあるし、日本人の客も多い。行き過ぎて写真を取り損ねた。

またその奥へ行くと、10バーツのラーメン屋がある。日本円で30円くらい。午前中に売り切れてしまうほどの人気店で、そこのオーナーのワッタナーさんはベンツに乗っているという噂まである。これまた写真を取り損ねた。

王宮やムエタイだけではないバンコク旅行は非常に楽しかった。(王宮は入場料が400Bもかかるし外からも見れるので、お金に余裕のある人向け)
わくわくする出会いにあふれている街、バンコク。一生に一度は、ぜひ訪ねて欲しい。(高原)


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