デリーで幾多のトラブルに遭った私は、旅の途中にこんな言葉を聞いた。
「Backpacker should go out Delhi as soon as possible.」(バックパッカーはデリーをできる限り早く出るべきだ)
あまり見所もなく、外国人旅行客を喰い物にしようと企む人間が多いデリー。私も正直早く出たかったので、次の目的地アグラへさっさと列車で移動することにした。
駅の途中に見かけたピクリとも動かず路上に倒れている人。インドでは珍しい光景ではない。
ニューデリー駅内で見かけた、得体のしれぬピカピカマシーン。聞けば、自動体重計測器だという。試しに硬貨を入れてみたが、全く動かず、硬貨も返って来なかった。各地の駅に設置されている。
列車内のトイレ。穴からは線路が見え、座ると心地よい風がお尻を撫でる。注意書きには、「Please avoid using when train stop at station」(駅に列車が止まっている時には使わないで下さい)と書かれていたが、皆お構いなしに使っていた。
列車内でお金をねだっていた、芸者の少年。列車内には、よく芸者や物売り、不具の物乞いなどがやってくる。
さて、列車に揺られる事4時間。到着予定時刻から3時間遅れで、アグラに到着した。
とあるアグラの商店街。
まず最初に行った観光スポットは、アグラ城。別名赤い城。1983年に世界遺産に登録された。
ジャハーンギール殿。
中の装飾も立派だ。
猿、
リス、
鳥、
犬と沢山の愛くるしい動物たちも生息。
翌日は、サイクルリクシャーを借りきって、アグラ市内を散策した。
運転手のおっちゃん。汗をかきかき、一日漕いでくれた。
俺たちを撮ってくれ、と隣りのオートリクシャーのおっちゃん達
マーケットには色とりどりの野菜が並ぶ
道が牛に阻まれて渋滞を引き起こしていた。飼い主は全く渋滞を気にしていない。
過積載のミニトラック。いつ荷がほどけてもおかしくない。
途中、おっちゃんがチャイ(インド版ミルクティ)屋に止まる。向かって右側の黒いトレーナーを着た「世界のナベアツ」似の男はなぜか日本語が話せた。
試しにサイクルリクシャーを運転させてもらったが、ホイールがガタガタでとても運転しにくい。しばらく運転手のおっちゃんを後ろに乗っけていたら、次第に「もっと早く漕げ」などと命令してきて調子に乗り始めたので、さっさと運転を代わってもらった。
なぜかおっちゃんを庭園でパシャリ。ここはかの有名なタージ・マハルの対岸にある公園だ。
対岸のタージ・マハルを手で支えているように撮って欲しかったのに、これではマヌケな事この上無い。
庭園をいじっていたお母さん達。勿論この後お金をせびられたのは言うまでもない。
庭園で女を侍らすハーレムインド人。クソッ。
道路で、色とりどりのサリーを天日干し。
基本的にインドではゴミは皆ポイ捨て。ゴミを集めるという概念が無い。おかげで、街の至る所から悪臭がする。
インドでは少年も立派な労働力である。
ここは小さなタージ・マハルと呼ばれる「イディマド・ウッダウラー廟」。なかなか綺麗で、人影もまばら。ゆっくり過ごせた。私が何故ファイティングポーズをとっているかは不明。
立派な建物。
緻密な彫刻。
棺と一緒に寝そべって悠久の時の流れについて語り合う。
熱々カップル。くたばれ
城壁から対岸を望んでいると…
城壁の下にいた少年たちが、
私を見るや否やこちらへダッシュ!次の瞬間…
少年達は我先にと下半身を露出。「ギブミールピー!」と叫んでいた。そんなことで金がもらえるなら、私だって露出したい。
お次に向かったのは、インドといえばここしかないであろう、タージ・マハル。
だが、一昨年にタージ・マハルの地下廟で爆弾が見つかるという事件が起こり、一気にセキュリティが厳しくなっていた。到着時、入り口でのセキュリティ待ちの行列は最後尾が見えないほど。聞けば、3時間待ちだという。
途方にくれていた私の目の前に現れたのは、政府公認を名乗る自称ガイド。700ルピー(約1400円)払えば、10分で入場できてしかもガイドしてやるという。交渉結果、ガイド無しの優先入場だけで350ルピー(約700円)支払うということに落ち着いた。
するとこのガイド、行列とは反対方向に歩き出し、民家を通りぬけ、迷路のような裏路地を迷うこと無く進み、着いたのはメインゲートとは異なる、マイナーな入り口だった。先ほどの入り口と異なり列には10人ほどしか並んでいなかった。ガイドにむりやり割り込みをさせられ、結局2分程度で入場できた。
さて、そのタージ・マハル。
とにかく人が多い…
確かに綺麗ではあったのだが、本当に人が多い。一度見ればもういいかな、と思ってしまった。
信じられない程アクロバティックな寝相の犬。
アグラ最終日は、列車が発つまで駅周辺のローカルマーケットをぶらぶらしていた。
拡大しないと分からないのだが、とにかくこの食べ物、本当にとんでもない数のハエがたかっている。
街中にはモスクもある。インドの総人口の内一割ほどはイスラム教徒だ。
ゴミを漁る豚。こんな豚の肉を食うなんて…
少年少女たち。ボールペンをあげるととても喜んでいた。
サリーを作るおじさん。とても器用だ。
右のおじさんは、「俺たちはチーム・ビッグなんだ」と話していた。ただの下ネタ。
チャイを作るおじさん。このチャイ、熱くてとても甘いのだが、これがインドの気候でへばりそうになっている時、身体をとても元気づけてくれる。1杯5ルピー程(約10円)で、毎日2、3杯は飲んでいた。
馬車だって現役バリバリ。
昼から何もせずに寝ている成人男性をよく見るが、一体何で生計をたてているのか…
こうしてアグラで三日間を過ごした私は、次なる目的地・ブッダガヤへの列車に乗った。