マレーシアコラム④
このマレーシアコラムも早いもので最終回となりました。
今まではマレーシアでの留学生活についてお伝えしていましたが、今回は最後ということでマレーシアを中心に東南アジアへ留学することについて考えてみたいと思います。これから留学を考えている人などは参考にしてもらえたらと思います。(前回の記事はこちら)
東南アジア(マレーシアの情報が中心となりますが)へ留学するポイントを良い面、良くない面を含めいくつか挙げていきたいと思います。
時差
留学中は家族や友人、恋人とも連絡が取りたいですよね。メールだけの連絡ではなくて、たまには電話やスカイプなんかで直接連絡取る必要もあるでしょう。その時に弊害になってくるのが、時差です。アメリカと日本では時差が半日もあります。そのためお互い時間を合わせて連絡を取るのは意外と難しいです。しかし東南アジアと日本の時差は1、2時間程度しかありません。なので生活リズムはほぼ同じです。そのため日本にいる人とも連絡が取りやすいです。たまに連絡を取っていると日本にいるのと何も変わりないなと感じます。
緊急に連絡取らなければならない時もすぐに連絡が取れるので便利です。
費用
留学する人にとって一番大きな弊害になってくるのがお金の問題だと思います。
交換留学で行けたとしても現地の生活費など様々な費用が掛かってきます。
私費で行く人なら尚更莫大な費用が必要となります。
東南へ留学するメリットとして費用の安さが挙げられます。
前回の記事でも記載しましたが、生活費が格段に安いです。普通に日本で生活しているよりも安いかもしれません。そして学費も圧倒的に安いです。私の通っている大学は学費が年間20万くらいなので、日本に比べても格段に安いです。アメリカの学費が高すぎて、カナダの大学へ行く人がいるように、将来的に日本からも学費の安さを求めて東南アジアの大学へ入学する人も出てくるのではないかと思います。フライトに関しても昨今LCCの台頭で簡単に格安航空券が手に入ります。KL-羽田も安いもので1万円をきる航空券もあります。1年間留学する人は学期の間に日本に一時帰国する人も多いかと思います。その際に欧米からだと航空券が往復10万円以上するのに対して、東南アジアだと往復でもその半額以下で済みます。物理的な距離も圧倒的に日本から近いので何か緊急で日本に帰らなければならなくなっても、最短でその日のうちに帰ることも出来ます。費用の面でなかなか留学出来ない人は東南アジアを考えてみてはいかがでしょうか。交換留学のハードルも欧米より低いと思います。
環境
正直全体的に日本や欧米に比べると環境は良くないと思います。私もこちらに来て様々な不便に遭っています。それほど高望みは出来ないので、それを受け入れられるか、受け入れられないかです。まあ来てしまったら受け入れるしかないんですけどね。(笑)
住
ぼくが住んでいるところはそれほど清潔ではないですし、設備も良くないですね。しかし日本借りたらとんでもない金額になるようなところでも安く借りられるので、お金に余裕があれば良い住環境は整えられると思います。
ITインフラ
これは私が住んでいるところの問題なのですが、度々Wi-Fiが使えなくなります。こちらでWi-Fiが使えないのは致命的なのでかなり不便です。しかし一般的にはどこのレストランやカフェにもWi-Fiはついているし、電源があるカフェもたくさんあります。Wi-Fiありの電源カフェが重宝されている日本の方がまだまだ環境は整っていないと思います。全体的な安定度、回線の速さはまだまだなので、日本よりは不便だと思います。
交通インフラ
価格は高いですが、日本の交通網は最強だと思います。公共交通機関で日本どこにでも行くことが出来ます。これはすごいことです。KLは東南アジアの中では鉄道もかなり整っている方だと思いますが、まだまだ車がないといけない場所もたくさんありますし、結構不便なこともあります。これからドンドン公共交通機関も整備されていき、今よりもっと便利になると思いますが、それには時間が必要なので、しばらくは交通面で不便を被るかもしれません。
天気
マレーシアは熱帯気候なので、一年中平均気温が30℃超えます。雨季はありますが、四季がなく一年中代わり映えのない天候です。こちらに住んでいて思うのが、日本の四季はすばらしいということと、生活する上で四季は重要だなと思いました。それぞれの季節によって感じることも違うし、気持ちの切り替えが出来たり、それぞれの季節がそれぞれの色を持っています。四季のおかげで一年、また一年が過ぎていくというのを感じられるのかなと思います。明確な春、夏、秋、冬は日本の誇るべきものだと思いますし、日本人の心そのものだと思います。
ワーキングスタイルの違い
前にも書きましたがこちらの人は日本人のようには仕事をしません。
うちの大学のオフィサーには多くの人が面倒に遭っています。VISAの申請をしても何ヶ月もパスポートが返ってこないし、毎日オフィスに要件を伝えても何も進展しないし、前に話した人がいないと話が通じなくなるなど、対応の悪さで不便を被っている人はかなりいます。特にうちの大学は留学生に対する対応が悪いので改善して欲しいです。基本的に日本のようなすばらしい対応をしてもらうのは不可能なので、受け入れるしかないです。重要なのは粘り強く交渉し続けることです。
教育水準
東南アジアの教育水準は欧米に比べたら高くないと思います。そのため東南アジアへ留学するとするなら、その国のトップレベルの大学に行くことをオススメします。トップレベルの大学に行けば、当然その国のトップレベルの学生がいるので、その国の教育レベルについてよくわかると思います。交換留学で行くとしたらおそらく必然的にトップレベルになると思うので、問題はないと思います。
欧米に比べ華やかさは少ない
留学先で人気な欧米やオーストラリアに比べて東南アジアは正直華がないです。笑 人間無い物ねだりなので東南アジアにいるとたまに無性にアメリカやヨーロッパに行きたくなります。華やかな生活は待っていませんが、どこでも生きていけるようなたくましさは手に入るかもしれません。stay hungly stay foolishでありたいなら東南アジアはいいかもしれませんね。
機会
環境が整っている欧米などはチャンスが自発的じゃなくても舞い込んでくるのかなと思います。しかし環境が整っていない東南アジアでは自発的にいかないとチャンスがなかなか舞い込んでこないと思います。機会が多いとみるか少ないとみるかは人それぞれですが、どっちにしてチャンスが転がってきたら積極的に参加してみることが大事だと思います。
宗教(ムスリム)
ほぼ無宗教の日本人にとって宗教を持つ国に住むというのは興味深いと思います。マレーシアはイスラム教国家ですので、生活の軸がイスラム教にあります。1日5回のお祈り、食事方法など彼らには様々な教えがあります。そうゆう国に行く場合はその宗教についての知識は最低限つけておく必要があります。何も知らないでいって、彼らにとって失礼な態度、非常識な発言をして、相手を不快にさせるのは良くないです。最低限の知識を身につけるのは義務だと思うので、そのような国に訪れる方は勉強しておくことをおすすめします。勉強してみると意外と面白かったりします。
人種のるつぼ
単一民族国家に住む日本人にとって多民族国家の国に住むというのは非常に興味深いものではないかと思います。現代では人の移動が容易になり、他の東南アジア国から出稼ぎに来る人もいれば、現地で働く人も多くいます。アジア人はもちろん、アフリカ、ヨーロッパなど様々な人種の人たちが街中を行き交っています。
人種のるつぼと言えばアメリカですが、アジアの人種のるつぼはマレーシアと言えるのではないでしょうか。日々違った価値観に出会えることでしょう。
発展途上国の活気 〜今東南アジアにいるということ〜
今世界の目はアジアに向いています。その中でもASEAN諸国はこれから確実に発展していき、世界でも重要な地域になってくるでしょう。急激に発展していく東南に”今”身を置くというのは重要なことだと思います。これからさらに多くの企業、多くのビジネスマンがアジアに進出していくでしょう。その時にあなたの東南アジアでの経験が活きてくるかもしれません。10年後、20年後、もっと先の未来を見据えるなら東南アジアへの留学は価値あるものだと思います。
ライフスタイルの価値観
こちらに来て考えさせられたのが、ライフスタイルの価値観。
こちらの人は日本じゃ考えられないくらいにゆっくり生活しています。
マレーシアの生活スタイルがスローということは聞いていたので、それほどカルチャーショックは受けませんでした。しかしこちらのライフスタイルに私のライフスタイルへの価値観が揺さぶられました。日本での生活は常に何らかのプレッシャーがあり、忙しくなると日々の幸せなんか考える余裕がなくなり、家族とも友達とも過ごす時間が取れず、ただ仕事だけをする毎日になってしまい、とても閉塞感があるような気がします。別に日本のライフスタイルを否定しているわけではないですし、それはそれで尊重しています。しかしこちらの人は楽しそうに働き、家族や友達との時間を大切にし、日々楽しそうに生きていて、幸せそうに見えます。人生における大事は何なのか。どう生きることが自分にとって幸せなのか。
こちらに来なければそんな風なことも、また違った視点で考えられなかったかもしれません。
最後に。。。
全4回に渡ってマレーシアを中心に東南アジアへの留学について書いてみましたが、結論なんでもいいと思います。欧米もすごい魅力的だし、アジアもおもしろいし、日本もものすごく魅力的だと思います。周りの目とかもあると思いますが、自分でこれがしたいと思ったことで、それが出来る環境にあるならやらない理由はないかなと思います。留学が終わった後は東南アジアを少し旅しようと思うので、他の面も知ることができると思います。私情ですが、日本には8月の中旬に帰る予定なので、もしもっと東南アジアのことなど聞きたい方がいましたらお気軽にご連絡下さい。
このコラムが少しでも皆様のお役に立てるのであれば非常に嬉しく思います。
それでは一先ずこのマレーシア留学コラムは終了となります。
今までお読みいただきありがとうございました。
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